数多くある整骨院・接骨院・整体で、他店と差別化を図る上で、内装のデザインや、お店の雰囲気にこだわり、集客を上げたいと考えている方は多いのではないでしょうか。また、初出店で内装工事にかかる費用や、レイアウトする際の注意点など、様々な疑問がある方も多いのではないでしょうか。
ここでは、整骨院・接骨院・整体を新規開業するオーナー様のために、内装工事の基本的な考え方から、少し専門的な内容まで、失敗しない店作りに必要な予備知識をご紹介いたします。
1. 内装の構造基準
まず、整骨院・接骨院・整体を開業するには、保健所が定める、構造設備の基準に従わなければなりません。
施術室について
・6.6平方メートル以上の専用の部屋であること。
・専用性の確保のため、他の部屋とは壁やパーティション等で完全に区切り、出入り口も扉 が設置されていること。
・施術室面積の7分の1以上を外気に開放できていること。または、施術室内にこれに代わる換気装置があること。
待合室について
・3.3平方メートル以上であること。
・「あんま・マッサージ・指圧、はり、きゆう」の施術所と「柔道整復」の施術所を併設の 場合は、兼用でも良いがそれぞれの施術室に直接通じていること。
受付について
・受付は、待合室、施術室どちらに設置しても良いが、施術室内に設ける場合は施術室の専用性を損なわないこと。
2. 借りるテナント・物件の注意点
次は実際借りるテナントの、設備面に関してです。上記で説明した、構造基準を満たすテナントであることは勿論、それ以外にも、テナントの設備面(空調や電気容量や水廻りなど)は内装工事費にも大きく関わってきます。
テナントにエアコンが既存で付いているのか、電気容量は足りているのか、トイレや手洗いなどの水廻り設備があるのか、または、水廻り設備を設けることができるのかなど、専門的な知識が必要な確認事項も数多くあります。また、高齢者や障害者が来院することも考え、バリアフリー化が可能なのかどうかという点も、テナント選びをする上で重要になります。
テナントを決定する上で、場所や立地も非常に重要ですが、それと同時に、テナント自体の既存設備も非常に重要になります。テナントの決定(契約)は、最終的にはご自身で決定するのですが、それまでに、内装業者や設計士のアドバイスを受け、整骨院・接骨院・整体に適している物件なのか、必ず判断してもらいましょう。
3. 内装工事費の目安・坪単価
整骨院・接骨院・整体の内装工事の工事費用は、広さによって異なりますが、大凡の目安の金額は、坪単価によって把握することができます。あくまでも、目安ですが、工事費用は1坪辺り、25〜40万円程になります。あくまでも目安といったのには、理由があり、借りるテナントの設備状況や状態によって、内装工事費用も異なってきます。
既存で業務用エアコンが付いている場合は、それだけで100万円以上費用を安く抑えることができますし、壁や天井や床が仕上がっている事務所仕様と、まったく何もないスケルトン状態では、100万円以上の価格差が生じます。
そのため、坪単価はあくまでも目安にとどめ、気に入った物件があれば、内装工事会社や店舗デザイン会社に見積り依頼をしましょう。これをすることで、正確な開業資金も把握することができ、借り入れ金額で失敗することもありません。
4. 内装工事を安く抑えるコツ
内装工事を安く抑えたい場合には、いくつかの方法がありますが、一番費用を安く抑えれるのは、居抜き物件を借りることです。居抜き物件とは、前のテナントの設備機器や、間仕切りがそのまま残されている物件のことを指します。
だた、居抜き物件でも、飲食店や美容室など、まったくの異業種の物件を借りても工事金額は安くなりません。できれば同じ業種で、残された間仕切り(レイアウト)が、そのまま使えるというのが条件になります。この場合だと、クロスや床の張替えや、看板やサイン工事のみで工事は済み、内装工事費をかなり安く抑えることが可能になります。
あと。はスケルトンの状態ではなく、事務所仕様の状態の物件を借りることです。事務所仕様の物件は、天井や壁や床の仕上が出来上がっており、物件によっては、エアコンやミニキッチンやトイレなどの設備が備え付けられてる場合があります。そういった、設備の整った事務所仕様の物件を借りるだけで、通常の工事費より3割程度抑えた工事金額にする事が可能です。
5. まとめ
ここまで整骨院・接骨院・整体の内装に関する、様々な大切なポイントをご紹介してきました。今回は、内装に関してのご紹介でしたが、開業には内装以外にも、資金面や人材面や広告面など、しっかりとした計画性が必要です。特に開業には様々な出費が必要になります。事前に開業にかかる全ての費用を把握しておらず、資金が足らないなんで事は許されません。
開業後の資金繰りをスムーズに進めるためにも、しっかりとした計画立て、様々なリスクを考えた上で開業を進めましょう。