出店、開業の際は気持ちが高ぶったり、逆に余裕がなくなったり、オープンまでは慌ただしく色々なシチュエーションに遭遇することと思います。ここでは設計段階でスムーズに出店準備が進められるポイントをご紹介します。
1. 大切な言葉のニュアンス
生活をしていてもデジタル化、電子化が浸透し、とても便利な事が当たり前に感じられるようになりました。しかし、どのような世の中になってもコミュニケーションというのは大事で、AIとも意思疎通できなければ希望通りには動いてくれないでしょう。実生活ではまだそこまではいきませんが、言葉のニュアンスはとても複雑なものです。
設計やデザインを行う際にも、気を付けることはたくさんあります。「カッコイイ」と言う言葉一つとっても、それだけではクライアント様のイメージとこちらのイメージがピタリと一致することはなかなかありません。クライアント様が言った「カッコイイ」を勝手に「クール」などと置き換えてもいけません。しっかり話し合いを重ねて、共通の認識を得ることが大事です。微妙な認識の違いが、デザインになった時大きな違いを生みますので、打合せはある程度時間をかけ、やりたい事は明確に、熱い想いをぶつけてみてください。
2. 守るべきルール
ご自身のお店なので、やはりやりたい事が沢山あると思います。デザインにこだわることも大事な要素ですが、好みで判断していませんか。あくまでターゲットはお客さまです。その点は履き違えないように注意が必要です。お客さまにあったコンセプトにもとづいて計画しましょう。
また、設計は建築基準法や消防法といった規則に則って行われ、検査もあります 。素晴らしいアイデアがひらめいたとしても、規則上無理なこともありますので、業者や専門家からのアドバイスを受けながら計画は進めていきましょう。物件の大小によって規制も変わりますので、物件選びの段階で確認できることはしておくのがおすすめです。
法的規制例
- 下地、仕上げを不燃準不燃の素材を使用すること
- スプリンクラーの散水の障害にならないようにすること
- 火災が発生の際、煙を排出する方法を確保すること等
商業施設(テナント出店)に出店する場合は、施設全体との調和を考えた規則等もあります。出店する施設や区画によって違いはありますが、施設側の内装監理室がチェック機関となり、各店舗の内装設計図面を見ながら、法的な部分と施設側の指針と相違がないか等の確認が行われます。大まかな内容や注意点を把握しておくと、検査もスムーズに終えられるでしょう。
施設的規制例
- 施設内で調和のとれた外観正面(ファサード)
- 高さ
- 看板(サイン)の色合いや大きさ等
3. まとめ
準備の準備をすることは、後々の作業を効率よく進めることができます。時間的にゆとりがうまれれば、見落としがちな部分にも目を向けられるかも知れません。主観的になりがちな判断も、お客さまの目線でできるようになるでしょう。
ルールや規制があるのはどんな場合も同じです。もしできないことがあれば、なぜ無理なのか、どうすれば可能になるのかはもちろんですが、敢えてそこにこだわる必要があるのか否かも考えてみてください。