現在ネイルサロンは大型店舗から小規模の店舗まで合わせると、10年前から2倍以上になったともいわれています。今後も増える傾向と予想されており、特にホットペーパービューティーをはじめとしたネットでの集客競争が激化しており、その中で新規店舗を出店し、勝ち残っていくには綿密な計画と戦略が必要になります。ここではネイルサロンを新規出店するにあたり、店舗のデザイン・設計から内装工事までの、考え方や重要性、そして費用面まで詳しくご説明いたします。
1. ネイルサロンにおける内装の役割
数あるお店の中から、お客様がネイルサロンを選ぶポイントとして、ネイリストの技術・価格・アフターフォローに加え、お店の雰囲気やインテリアもあげられています。そのため、ネイルの技術や商材に力を入れるのは勿論、お店の清潔感・居心地の良い空間・適度に保たれるプライバーなど、お店の内装に力を入れる事もお客様の集客やリピーターの獲得に繋がります。
では、どのようなお店の内装が支持され人気なのかを詳しくみていきましょう。
ネイルサロンに通う女性は、ネイル手入れする事で美意識を高め、女子力をアップさせる目的に加え、居心地の良い空間で癒やしを感じリフレッシュすることなどが挙げられます。自分だけの特別な空間で、誰にも邪魔されず爪先を手入れしてもらう事は、女性にとっては至福のときなのです。そのため閉鎖的で狭い空間や、居心地の悪い空間では、疲れて苦痛を感じリフレッシュできません。理想は長時間滞在しても苦痛を感じず、お洒落で可愛くて居心地がいい空間であることが求められます。清潔感を感じさせるために、白や淡い系の色を内装に使ってみたり、照明のライディングに拘ってみたり、癒やしを感じられるアロマキャンドルを置いてみたり、細部までお客様目線で空間作りをすることが大切になります。また、外部からの視線や、他のお客様からの視線を感じさせないよう、仕切りを設けるなど、お客様のプライバシーの面での配慮も大切になります。
このような、女性目線にたって居心地がよく、細やかな配慮が行き届いた空間にすることで、新規やリピートしてもらえるお客様が増え、売上げアップへと繋がります。
2. ネイルサロンの内装のポイント
お店を開業するにあたり、初期費用が必要ですが、その中でも内装費は非常に大きな割合を占めます。そのため、初期投資を抑える=内装費を抑えるといっても過言ではありません。では、どのようにして内装費を抑えればいいのか、ここがとても重要になります。
内装費といっても、店内の顔とも言える意匠の面から、エアコンや水道の設備面まで、内容は幅広いです。そのため、コストダウンする内容を間違えれば、お店のクオリティを下げることになり、理想のイメージからかけ離れた店舗になりかねません。内装費を抑えるのに重要なのは、お店のクオリティを可能な限り下げず、いかに費用を抑えるかということです。その一つとして代表的なのが居抜き物件になります。居抜き物件とは、前のテナントの空調や水回りや間仕切りがそのまま利用できる物件のことをいいます。特に空調や電気や水道の設備面が、そののまま再利用できるため、非常に大きなコストダウンに繋がります。ただ、費用を抑える上での絶対条件があり、それは前のテナントが同業者であることです。飲食店の居抜き物件をネイルサロンとして再利用しても、動線や間仕切りや設備の見直しが必要になり、スケルトン状態よりも費用が高くなることが殆どです。勿論、お店の内装のプランニング次第で、安くなる場合があるかもしれませんが、それは素人の方の判断では難しく、内装業者に判断してもらわなければなりません。そのため、居抜き物件を内覧する場合は、内装業者に同行してもらう方が、大幅なコストダウンにつながります。
居抜き物件以外の方法としては、テナント型ではなく、既に設備の整っているマンション型にするという方法もあります。ただこの場合は、看板の設置も難しく、外を行き交う人にお店をアピールする事ができないというデメリットがあります。ご自宅での開業の場合はマンション同様、初期投資も抑えることができ、一軒家であれば看板の設置も可能になります。
まずは開業するにあたり、どのテナントタイプにするのかを、初期費用と相談しながら決めることが大切です。