この時期になると、建築に関係する多くの資格試験が開始されます。エントリーするのに実務経験が必要であったり、ハードルが高いイメージもありますが、やはり知識としても資格は大変役立つものですし、資格を活かして現場で活躍されている方は大勢いらっしゃいます。
目指す道やチャレンジしてみたいとお考えの方は、是非計画的に取り組んでみてはいかがでしょうか。
1. 建築設備士
建築設備士とは、換気、エアコンなどの空調や水道、照明などの配管設備に関する国家資格です。戸建、マンション、ビル、店舗とどんな建物にでも対応でき、建築士などにもアドバイスする設備の専門家としての需要が高まっています。
建築設備士の実務で、自ら設計図面を書き起こすことはないに等しいですが、プランを立て図面に落とし込むことは、建築設備士の試験では基礎知識として必要です。
■ 試験日:6月下旬
2. 二級建築士
二級建築士は合格すると、都道府県知事から建物の設計や工事管理業務の免許をあたえられます。大規模な建物の建築は無理ですが、一定規模以下の戸建、学校、公共施設に携われます。
短大、大学、高等専門学校の建築課程コースに在籍していれば、卒業後実務経験無しに受験することが可能です。就職活動にも有利に働く資格と言えるでしょう。
試験では、学科試験と事前に発表される課題で設計図面を仕上げることが求められます。
■ 試験日:7月上旬
3. 福祉住環境コーディネーター
まだあまり馴染みのない民間資格ですが、高齢化が進む日本においては介護や福祉に関する専門性を高めたり、介助器具への知識、リフォームやバリアフリー化についても、今後スキルをいかんなく発揮できる資格と期待、必要とされていくことでしょう。
各分野の専門家と連帯を取り、高齢者や障害を持つ方の住環境を整え、自立をサポートする提案を行います。豊富な知識が武器となりますので、試験内容も広範囲にわたります。1〜3級まであり、1級は2級合格者のみ受験できます。
■ 試験日:7月上旬
4. 一級建築士
一級建築士は合格すると、国土交通大臣から建物の設計や工事管理業務の免許をあたえられます。二級建築士よりも大規模な建物の建築に携わることができます。
受験資格は、学歴や実務経験によって異なるとされていますが、この「実務経験」にも細かな指定があります。建築物の設計や工事監理、建築工事の指導監督に関する実務など全ての条件をクリアしておく必要があります。
建築士なら誰もが目指したい資格ではありますが、実務ではあり得ない短時間での勝負となりますので、しっかり経験を積んで挑みたいところです。
■ 試験日:7月下旬
5. まとめ
建築業界の中で一級建築士の試験が最高峰のように思えますが、その先には専門的な知識が必要な資格がまだまだあります。
学業や仕事と試験勉強との両立は大変ですが、目標を持つことは素晴らしいことです。普段の何気ないことも法規や法律に則って存在していることがわかれば、より知識も深まります。
いくつになっても学ぶ楽しみを忘れずに、チャレンジしてみてはいかがですか。