美容師さんを例に挙げると、美容師の資格を取る人口は増えているのに、実際に美容師として働く人は減り、人材の確保が難しくなっています。さらにはこの状況下でも店舗数は増加傾向が続いていて、お客さま獲得の競争が激化し、低価格化が起こり、収益ダウンする店舗が増えています。どのような状況でも業界の傾向を見ていると、それに従うのが正しい様な気がしてしまいますが、時代にあった経営戦略よりも自店にあった戦略であるか否かが重要です。いくつかポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。
- 当たり前の見直し
- リピーターとスタッフの定着
- シニア層とアナログ化
- まとめ
1. 当たり前の見直し
高い技術を持って独立したが、経営者としてはどうなのか。最新機器を揃えたり、高級感を意識した見た目にこだわったが、このエリアをターゲットとして間違いなかったか。インターネットやSNSでの宣伝、集客効果は本当に出ているのか。
当初思い描いていたビジネスモデルでうまく行かない場合、お客さまの行きたい店として機能していないことになります。来店してくださるお客さまにアンケートをお願いするのもいいですし、さまざまな角度から問題を検証してみましょう。
問題を打破する際には、頭を柔軟に、空っぽにする必要があります。当たり前と思って始めたことを今一度ゼロにして考えてみましょう。
2. リピーターとスタッフの定着
新規顧客獲得にはそれなりの経費がかかりますし、経営を好転させるきっかけにはなりません。経営安定のためにもリピーターの定着は必須です。
スタッフの確保も厳しいとお話ししましたが、質の良い技術者としてスタッフを育てたり、チームとして店舗を盛り上げていくことを考えなければ経営はうまく行きません。人件費はもちろんのこと、サロン特有の退職、独立による顧客減少もしっかりと計算しておく必要があります。
お客さまともスタッフともしっかりと信頼関係が築けるように努めましょう。
3. シニア層とアナログ化
今後人口は減少します。身なりを気にしてお金をかける若者よりも、出掛けることが億劫なシニア層が増えます。ますますサロンへ足を運ぶ人は減るのがみてとれます。
ですが、このシニア層に目を向けることでたくさんのビジネスチャンスが広がっていることも想像できます。身なりを整えることはアンチエイジングや認知症防止に効果があるとされていますので、かなりの需要があると言えるでしょう。
AIや最新機器を使って、サロンで無対人で施術するのも現代人にとっては理想的な空間かもしれませんが、個人的には本来のコミュニケーションをとりながら髪を切る、マッサージを行うなどのサービス業である美容業界の根本的な性質は大切に守ってほしいと思います。それを楽しみされるお客さまはいつの時代もいらっしゃるはずです。
4. まとめ
人生にはいくつかのターニングポイントがありますが、今回のコロナ禍によって世界全体、社会全体の仕組みが少しずつ変化しつつあります。よりハイテク化するものもあれば、なんだか後退している様なものもあります。
店舗経営は以前の様な活気を取り戻すにはまた少し時間がかかりそうですが、自店の在りかたを見直してみるいい機会ではないでしょうか。