今回は設計図、図面の描き方についてお話しします。
以前に設計図面には正確さが求められるとお話ししましたが、そのベースにはたくさんの人が見ても分かりやすく判読できるようにルールが設けてあります。建築や設計分野だけでなく、数字を扱う場面では共通していることも多いので参考にしてみてください。
1. 基本のツール
手描きの場合、まず皆さんが普段使っている文房具があります。シャープペンシル、消しゴム、定規、コンパス、電卓です。定規には幾つか種類がありますが、平行線や垂線を描くのに三角定規やT定規が使われます。T定規とはアルファベットのTの形をしています。また、テンプレートを使えば円や三角、四角がより簡単に描けます。
あとは、製図板、製図用紙、製図用ブラシがあります。細かい作業なので、字消し板と言って、余計な部分を消してしまわないように保護する役割のある、様々な形の穴が空いた薄い板もあります。
2. 描き方の基本
手書きとなると、ただでさえ個人差が出てきます。そこで規格にのっとった幾つかの表現方法が、読み間違い防止に役に立ちます。
数字・文字
図面で指示を促す場合に文字や数字、記号を用います。形や大きさを揃えて丁寧に描きます。専門的なものになると、一つの図面において複数の書体を混同してはならず、角度や高さも揃える必要があるものも存在します。
縮尺・尺度
大体の図面は実物より小さく描かれています。建築物のなるとなおさらです。何千分の一のスケールで描かれることもしばしばです。そのように図面は「縮尺」して描かれることが多く、実寸では「現尺」、拡大したものは「倍尺」と呼びます。
線・CG
図面はたくさんの線や円を用いて表現されますが、線の形と太さを組み合わせて使用し、区別します。線の太さは「1:2:4」の比率で「細線」「太線」「極太線」の3つに定められています。太さにも基準があり、単位はミリメートルで0.13、0.18、0.25、0.35、0.5、0.7、1、1.4、2の9種類となっています。基準となる値を決めたら、1倍、2倍、4倍すれば自ずと太さが決まります。
3. まとめ
専門家でも手書きで描く機会はめっきり減り、そんな図面を目にする機会もないと思います。ですが、正しい図面には必要な要素です。知っておいて損はないので頭の片隅に置いておいてください。