皆さんは新店を構える際、どのような条件で物件探しをしますか。立地条件などをクリアさせれば、契約を経て後は工事を進めるのみ!といった場合がほとんどだと思いますが、その物件が以前にどのように使用されていたかも気になるポイントではないでしょうか。
異業種で使用されていた物件は、なにかと使い勝手が悪いのではないかと候補から除外してしまいがちです。異業種で使用されていた物件でも、内装工事次第で上手に使用できる場合があります。
今回はオフィス物件で美容院を開業する方法をお教えします。参考にしてみてください。
1. オフィス物件の基本
異業種間でもオフィス物件から美容院を開業するのは比較的簡単です。まずオフィス物件は、基本的に街の中心にあり、物件数も多くあります。賃貸物件であれば原状回復していることが前提ですし、ガス、電気、水道等のインフラも整備されていますので、条件としては決して悪くないと言えます。全体的に広めの物件が多いので、そこをどう捉えるかもポイントです。
2. オフィス物件攻略ポイント
大半のオフィス物件でインフラの整備がなされているとは言え、テナント内に給排水やガス設備がないと美容院としての経営は難しいでしょう。ですが、ある程度の基礎があれば問題は解決できる場合がほとんどですので、諦めずに対策を講じてみましょう。
排水管設備
美容院にとって排水管がないのはどうにもなりませんが、物件によって解決方法があります。
- 別の階の天井裏等を使って ビルがもつそのビル全体の排水管を利用する
- 外壁に穴に開け、外部の排水管を利用する
- ビル共用部のトイレ等から排水管を利用する 等
場合に応じて対応できることがほとんどです。
ガス管の引込み
オフィス物件を検討する際は、ガス管の引込みを想定して長い目で試算してみることをオススメします。物件だけ見れば好条件かつ格安で借りられる場合なども多く、設備面に費用を充ててもすぐに元を取れるようであればお得な物件といえるでしょう。
また、ガスを電気温水器で代用する方法もあります。動力という必要な電力をビルを通して利用できれば、シャワーのお湯などは確保できます。
水量と水圧
通常オフィスビルでは、家庭用に設備されている排水管と同じパワーのものを整備しています。美容院での利用となると、シャンプーダイ1台が限界といったところでしょう。2台以上の設置を検討している場合は、水量確保のための貯水ポンプ、水圧確保のため圧送ポンプを設置する必要性があります。この問題はそれだけで簡単に解決できるでしょう。
電気容量
美容院では、電灯と動力という強力な2つの電源が必要になります。それらの利用が少ないオフィス物件でも、幹線の引換え工事を行えば簡単に電気容量は拡充できますが、照明をLEDライトに変えたり、ドライヤーのような共用できるものは数を減らすなど、まずは店舗内全体の消費電力を抑えることも大切です。
3. まとめ
異業種からの物件は、色々な好条件が重なっても設備面等の不安で、やむなく諦めてしまう方も多いと思います。しかし、内装工事のポイントを押さえることで簡単に問題を解決でき、予想に反した快適な空間を手にすることができるかも知れません。もちろん契約条件もよりますが、まずは可能性を大きく広げて物件探しをしてみることをオススメします。