新たな感染症の心配もある中、日本には毎日たくさんの海外渡航者が行き来しています。今夏には、東京を中心にオリンピックが開催され、参加者や見物客でにぎわいをみせそうです。オリンピック誘致の時にもあった「おもてなし」の心は、日本の魅力の一つとして海外の方からも認知されることとなりました。接客業をされている方は外国人客の増加もあり、言葉として意識することも増えたのではないでしょうか。そんな日本特有のおもてなしの心について、お話しします。
1. 日本人の気質
日本人はよく「真面目で、働き者」と表現されます。データ的に見ても他国より労働時間も長く、休暇も少ない傾向にあります。祝祭日の取り方や働き方改革などで少しずつ緩和されつつありますが、キッチリした性分なのでさほど苦にしていないのかも知れません。
また、細かいところまで気を配る、他人を思いやるなどの精神は、治安の良さや衛生的な環境を維持することにもつながっていると考えられます。自分だけでなく、誰もが快適で過ごしやすい空間、社会をつくることが共通認識されているので、安心安全が保てるのだと思います。スポーツ等でもチームプレーで力を発揮するのは、調和を大事にする気質によるところが大きいのでしょう。
2. 当たり前の強み
日本は他国と比べて治安も良く、衛生的なうえ、どのような場合においても丁寧、迅速なサービスが受けられます。そんなホスピタリティのあるお国柄が、海外の方から好印象を得、「おもてなし」が評価されているのではないでしょうか。
以前にお話ししたことがありますが、適切なことを無意識のうちに「当たり前」にやっていることはとても素晴らしいことです。個人でもビジネスでもそれは強み、セールスポイントとなります。やっている側は気付きにくいものですが、普段の生活から離れた場所で体感することがあれば特別に感じることでしょう。どちらかと言えば、些細なことほどインパクトがあったりします。
無意識に行うのに無理があったり、何か足りないと感じた時は意識的に改善、行動しましょう。適切なサービスの向上は集客UPにつながります。
例えば接客業を例に挙げると、
- 混雑時を想定して、待合いのための椅子が設けられている
- 個々に対して、手荷物を入れるカゴが準備されている
- トイレにアメニティが置かれている 等
日本では当たり前のスペックとして認識されていますが、海外ではそうではないことの方が多いです。とても気が利いているなと感じるポイントになります。
普段の生活、日常では、良いところも悪いところもひっくるめて生活しなければなりませんが、非日常空間では良いところだけをかいつまんで、その時を楽しむことができます。ビジネスとしては、エステや美容室などのサロン系業界が非日常空間を演出するのを得意としています。
3. まとめ
日本は他国に比べ、普段から高いレベルでサービスを提供していますが、日本で、日本人客に当たり前のサービスをやっていても満足しませんので、そこは注意が必要です。
日本人に根付いているおもてなしの心は、日本から離れてみることで見えてきます。自店の良いところ、気になるところ、少し観点を変えて見直してみるのはいかがでしょうか。