飲食店では、一度入店すると比較的長い時間お店に滞在することとなります。店舗の内装デザインでは雰囲気づくりも大切ですが、実際には居心地のいい空間であることがリピーターを生む秘訣です。入店から退店するまでいかにお客様をおもてなしできるか、働くスタッフの動きも重要となってきます。機能的で効率のいい内装デザインのポイントと注意点をご紹介します。
1. 是非取り入れたい集客ポイント
お客様に一歩足を踏み入れていただいたら、店内を自然に誘導できるよう動線を工夫します。また。お客様がワクワクできるようなレイアウトを実現できればリピーター率も上がるでしょう。
人間の心理を利用した左回りの法則
コンビニやスーパー等では人は左回りを好むとされていることから、多くの店舗で動線が左回りになっています。入店後いかにお客様を巻き込むかがポイントとなりますので、サインなどを使う際も左回りに案内通路を設けるようにしてみましょう。
お客様のニーズに合せたゾーニング
店内をいくつかのゾーンに分けて考えます。お一人様、ビジネス、ファミリー、友人、カップルなど、お客様に合わせて客席に変化をつけてみましょう。お店のコンセプトに応じて、景観のいい席や個室を使うのも効果的です。違った雰囲気を演出することで、今度は別の席に案内されたいと再来店の期待も高まります。大きな店舗になればなるほど有効となるでしょう。
2. 注意しておきたいマイナスポイント
お客様の取りこぼしがないように、内装デザインでうっかり見落としてしまいがちなポイントを整理しておきましょう。
狭く店内が見えない間口
間口はできるだけ広く取れるようにしておきましょう。お客様は入り口から店内の様子を判断します。手前の席が埋まっている場合、満席である、待ち時間が長くなる等のマイナスのイメージを与えてしまい、入店率が下がります。こうしたことで同じ広さの店舗でも、間口の広さによって大きな違いが出てきます。どうしても広く取れない場合は、お客様を奥から案内したり、レジ位置を奥にしたレイアウトにして入り口付近の混雑を回避するようにしましょう。
様々な用途に対応できない家具
店内のお客様のキャパシティは決まっていても、座席をお客様の人数に合わせて用意できなければロスがでてしまいます。少しでもロスをなくし、フレキシブルに対応できるよう、可動可能なテーブル、椅子の設置をお勧めします。コスト面では二人掛けのテーブルも四人掛けのテーブルも大差ありませんが、座席効率の面では大きな差が生じます。高級層をターゲットとした店舗によくみられるソファ席も同様です。移動が困難で、かつ、お客様が長居する傾向にあるので回転率も下がります。ただし、ゆったりと長い時間を過ごしていただくコンセプトであれば効果は絶大でしょう。自店のコンセプトに合わせた家具を選びましょう。
3. まとめ
飲食店では、たくさんのお客様とスタッフが所狭しと店内を行き交います。お客様には居心地よく、スタッフには機能的で効率のいい環境であることが求められます。内装デザインは入店前にお客様を逃さない工夫や、入店後は飽きさせない演出、また来たいと思わせる空間づくりと大きな役割を果たします。人気店には必然と備わっている要素でもあります。参考に人の流れをよく観察してみるといいでしょう。
また、客席からは見えない部分も内装デザインの一部です。お客様が足を踏み入れないバックヤードにおいても、機能性と効率性を考えたレアウトにしましょう。