明石市でオープンしたエステサロンの現地調査から竣工までのまとめ記事です。
時系列で以前の記事の内容も踏まえてご紹介します。
今後内装工事をご検討される方の参考になるかと思いますので是非ご覧下さい。
- 現地調査
- 平面計画・ゾーニング
- 平面図・プランニング
- コンセプト・デザイン
- 着工・墨出し
- 電気・空調・給排水の設備工事
- 軽鉄・ボード・間仕切工事
- 床上工事
- 装飾・木工事
- クロス・フロアタイル・仕上工事
- 看板・サイン工事
- 引き渡し・竣工
現地調査
今回はお施主様が物件の契約前に現状把握と設備面のチェックを兼ねて現地調査しました。
JR明石駅にも近く立地的にも大変良い場所です。気になる設備面ですが、建物が古いため排水設備が十分でありません。借りるテナント部分には排水設備がなく、隣接するPS(パイプスペース)からの引き込みが必要です。また一部の天井部分に排煙ダクトが設置されてるため天井が低くなっています。特に営業に関わるようなデメリットはありませんでしたので、無事物件契約となります。物件によっては設備的にエステサロンや美容室が不可な場合がありますので、契約前に弊社にご相談下さい。エステサロンや美容室に適している物件が判断させて頂きます。
平面計画・ゾーニング
まずは現地調査の情報と基にゾーニングに入ります。
排水設備を隣接するPS(パイプスペース)からの引き込むため水回り(シャワーやトイレ)の位置が限られます。あと排煙ダクトの関係で一部の天井が低いので、そのスペースをどれだけ有効的に利用できるか。以上の2点がプランニングする上で重要になってきます。当たり前ですが、法的な部分やスタッフの導線や設備面やデザイン性など、様々な内容を考慮しながらブランを進めていきます。特にエステサロンでは売上にも大きく関わってくるため個室の数が重要になります。どれだけ個室を確保できて、尚且つ狭苦しくなく、デザイン性にも優れ、スタッフの導線も良くと…美容室のプランニングに比べると少し複雑ですね。
平面図・プランニング
ゾーニングができるといよいよ平面図の作成に入ります。
排水設備と排煙ダクトを考慮したプランで、上記で説明したゾーニング通りの部屋構成になりました。心配されていた天井が低いエリアの床上げも、1段で収まり必要最低限の天井高さは確保できそうです。この天井が引くいエリアに、スタッフルームと水回りを集約させ、天井が確保できるエリアはカウンセリングや施術スペースとしました。そうする事で利用されるお客様も滞在時間が長い施術スペースの印象が残り、窮屈感や圧迫感があるお店とは感じないでしょう。個室の部屋数やその他のスペックもお施主様のご希望通りに確保できベストなプランだと思います。
コンセプト・デザイン
平面図が確定した後は意匠関係のデザイン作業に入ります。
今回ご提案したコンセプトは下記です。
メインコンセプト
イタリア南西部に位置し、ヨーロッパ屈指のリゾート地であるシチリア島をデザインコンセプトとしています。地中海に囲まれ、明石市同様、港町であるシチリア島は、ヨーロパの中でも高級リゾートとして名高く、数々の映画の舞台にもなっています。古き良きクラシックなアールデコスタイルを残しつつ、カラフルな陶器やアートで街を彩る光景は、人々の心を魅了します。そんなシチリアリゾートをデザインコンセプトに、隅々までこだわった素敵なエステサロンになっています。
ボディルーム
ボディルームは各部屋ごとにデザインを変え、ヘビーユーザーの方でも毎回少しの驚きと発見があるよう、飽きさせない配慮をします。部屋で一番目を引くアイキャッチ部分には、クラシックモールをあしらったデザインで、お店のロゴをポイントとします。また、少しでも部屋を広く見せられるよう横のラインを基調とし、中央部分にはアクセントとして、イギリスからこのためだけに輸入した柄物のクロスで装飾します。
フェイシャルルーム
フェイシャルルームもボディルーム同様、クラシックモールで壁面を装飾し、お客様のアイキャッチ部分にお店のロゴをあしらいます。床には耐久性とデザイン性に優れた塩化ビニル性のフロアタイルを使用し、汚れに強いコーティングを施します。また、施術内容に応じて部屋の明るさが変えられる調光可能なダウンライトを設置し、スタッフの方が最高のパフォーマンスを発揮できるよう設備にもこだわります。
着工・墨出し
デザイン・図面及び工事に必要な資料が完成すると着工です。
まずは墨出し作業で、実際のテナントスペースの床に平面図と同様、墨を打って(線を描く)いきます。この床に出した墨で、壁の位置や設備機器の位置などが決まりますので、非常に重要な作業になります。平面図の寸法と現場寸法に、多少の誤差がある場合はここで修正します。また弊社では、お施主様が頭で思い描いてる空間認識と相違が無いよう、墨出し作業をした段階で現場を確認いただいてます。
電気・空調・給排水の設備工事
平面図を基に墨出しを行った後は、設備(電気・ガス・空調・給排水)の仕込み作業に入ります。
天井裏や床や間仕切など、普段見えない場所に隠す必要がある配管や配線は内装工事の初期に行われる作業です。配管は配線と同時に、電気温水器やシャワーユニット等の大型の設備機器の設置もこの時期に行われます。また、防災関係やスピーカー等の音響関係もこの時期に仕込み作業に入ります。
軽鉄・ボード・間仕切工事
設備関係の仕込み工事が終了した後は間仕切工事に入ります。
平面図を基に墨出しをした位置に、軽量鉄鋼(LGS)で壁の骨組みを作成します。その後、石膏ボードを軽量鉄鋼(LGS)に貼り付け、壁を作成していきます。壁面の作成と同時期に天井も同じ要領で作成していきます。天井が複雑な形状(折り上げや掘り込み)であればこの工程は長くなります。骨組みや壁が出来てくると、各部屋の大きさも把握でき、完成に向けてのイメージが徐々に感じ取れるようになります。
床上工事
間仕切工事と同時期に床上工事も行われます。
物件にもよりますが、水廻り付近は排水用の配管を引き込む必要があるため床上げが必要になります。使い勝手やお店を広く見せるためにも、床上げ部分を必要最低限にする事が設計上重要になってきます。
装飾・木工事
間仕切工事が終了した後は装飾関係と木工事に入ります。
建具の取付から装飾モールの取付や棚の取付など、細かな作業になります。今回はアーチ枠や装飾モールの取付箇所が多いので、この工程に時間を取られました。お店の出来栄えにも関わってくるので慎重かつ丁寧な作業が求められます。この時期に造作家具の取付も行われます。
クロス・フロアタイル・仕上工事
装飾関係の取付が終わると仕上工事に入ります。
仕上といってもタイルや石や塗装など数多くありますが、今回壁面はクロスがメインです。ただクロスといっても住宅で使うようなクロスではなく、イギリスから取り寄せた輸入クロスがメインです。この輸入クロスは厚みがなく施工が非常に難しいのですが、見栄えは国内品と比べても数段上です。柄や色も何全種類とあるので、コンセプトに応じたクロスがチョイスできるのも魅力のひとつです。床の仕上は、耐久性と汚れにも強いサンゲツのフロアタイルを使用してます。種類は限られますが、比較的受け入れられやすいデザインの品揃が多いです。
看板・サイン工事
仕上工事が終われば最後に看板とサイン工事に入ります。
今回は店内の装飾用のサインと、メインの屋外の大型看板になります。特に店内の装飾用のサインは、お店のデザインの最後の仕上げとして非常に有効的です。個人的には低予算の物件ほど、店内のサインを有効活用するべきだと思います。
引き渡し・竣工
無事に全ての工事が終わり引き渡しとなります。