仮設工事とは、見積書にある項目の中でも、少し特殊な項目で、工事を円滑に進めるために必要な、準備段階の工事や、設備のことをいいます。仮設工事には、直接仮設と共通仮設があり、直接仮設は工事に直接関係する、足場や養生や発生材・廃材処分費が含まれます。共通仮設とは基本的には、工事には直接関係しないが、工事を円滑に進めるために必要な費用のことをいいます。一般的には仮設電気、仮設水道、仮設トイレ、現場の清掃・片付費などが含まれ、工事完成後に形として残らず、消えて無くなる工事のことをいいます。小規模の工事の場合は、直接仮設費用と共通仮設費用をまとめて仮設費用とする場合がほとんどです。
下記では一般的な仮設工事の項目を詳しくご説明いたします。
1. 足場
屋外の建物の2m以上の高所作業のために設ける作業用の台のことをいいます。屋内での高所の作業をする場合にも設けられます。マンションやビルなどに設置する大掛かりな足場は、専門の業者が設置から撤収までおこないます。
2. 養生
資材や設備を搬入する際に、ビルの共用部(通路やエレベーター)やテナント内の仕上を保護する目的で施す、シートやボードの取り付け作業のことをいいます。
3. 墨出し
墨出しとは工事を行う現場で、設計士が作成した図面を基に、実際の床や壁や天井に、実寸で線(設計図)を書いていく作業のことをいいます。全ての工事を行う上での基礎となりますので、もっとも重要な作業をいえます。
4. 清掃・片付
工事を日々円滑に進めるために、現場で行われる清掃作業のことをいいます。毎日現場で発生する、廃材やゴミの片付けや、資材や設備の整理整頓は、工事をスムーズに進めるためには重要な作業です。
5. 発生材・廃材処分
現場で発生する資材や梱包材等のゴミを、産業廃棄物の処理として、中間処理場まで運んで捨てる作業のことをいいます。廃材の運搬費用だけでなく、処分費用も含まれます。
6. 資材運搬・荷揚げ
資材を現場の特定の場所まで運搬する作業のことをいいます。現場の状況と資材の運搬量もよりますが、中高層階でエレベーターが使用できない場合など高額になることがあります。
7. 仮囲い
防犯上や安全上の理由で、工事現場が外部から見えないよう、外周を囲う柵の設置作業のことをいいます。
8. 仮設トイレ
工事期間中に、工事関係者が現場で利用するトイレのことをいいます。
9. 仮設電気
工事期間中の電気の引き込みや一時的に使用する電気のことをいいます。
10. 仮設水道
工事期間中の水道管の引き込みや一時的に使用する水道のことをいいます。
11. 交通誘導・警備
工事の内容により安全を確保するために、警備員や誘導員の配置が義務付けられている場合があります。その場合に発生する費用になります。