寒い季節から徐々に暖かい日が続くようになると、やはりどこかへ出掛けたいと思う気持ちが出てきます。このご時世ですから行き先にも悩むところですが、外から眺めるだけでも十分に堪能できる魅力的な建築物が街にはたくさんあります。少しずつご紹介していきます。
1. ルシアルペラフィネ 心斎橋店
フランス生まれのアパレルブランドです。最高品質のカシミアを使ったニットが有名ですが、ブランドモチーフにドクロやヘンプを用いた製品も多く幅広い層から支持を得ています。
建築家 隈研吾氏設計の2階建ての路面店で、ガラス張りの中にのぞく蜂の巣のようなデザインが目をひきます。
「ベジブルウォール」と言って五角形と平行四辺形が創り出すパターンで、洞窟のような空間を形成することができます。実際そのような構造になっているとても面白い構造の店舗です。植物の断面のようなそれら一つ一つはシェルフやショーケースとしての役割も持ち併せています。
2. LOUIS VUITTON OSAKA HILTON PLAZA
言わずと知れた世界有数のファッションブランドです。建築家 乾久美子氏が、店舗の顔とも言えるファサードを手がけました。
誰もが知るブランドロゴからインスピレーションを受け、ガラス、鏡面磨きのステンレススチールの格子、壁、の三層構造になっています。格子をロゴと同じ角度に配し、それらが複雑な光の反射を生み出し、とてもみずみずしい透明感あふれる表情を見せています。夜にはライトアップされ、また違う趣があります。
3. オーガニックビル
タリアのデザイナー兼建築家であるガエタノ・ベッシェ氏設計による、大阪南船場にある一度見たら忘れられないとてもインパクトのあるオフィスビルです。
オレンジの外壁には132個ものプランターがずらりと並んでいます。都会の真ん中にあり、ビル群、かつ西側に面しているにも関わらず植物が育っている理由は、コンピュータ管理された給水システムの賜物かもしれません。自然との共生がテーマであり、全て異なる植物との事です。
4. スカイビル
建築家 原浩司氏による地下2階、地上40階の超高層ビルです。イーストとウエストの2棟からなり、頂部は空中庭園と呼ばれる円形の展望台で連結されてあります。その構造が地震や振動、風対策にもなっているそうです。
英国出版社のパルテノン神殿やコロッセオ等の歴史的建造物が選出されている本にも記載があり、来場者の7割近くが外国人観光客であることも有名です。超高層ビルの屋上に風を感じられる360度のパノラマが広がります。
5. 大阪富国生命ビル
フランス国立図書館などを手がけたフランスの建築家 ドミニク・ペロー氏のデザインによる地下4階、地上28階の複合オフィスビルです。
ファサードのガラスのカーテンウォールが印象的で、リズミカルなデザインを施した低層部は大樹をイメージしています。内部にも6層吹き抜けのアトリウム空間が広がり、都会の中で森の中にいるようなひとときが味わえます。
また、社会貢献できるビルとしてコンセプトを掲げ、大阪都市再生特別地区制度を利用し、近隣環境の防災強化、歩道状空地の整備、大学関連施設の誘致を行っています。
1. まとめ
日本は狭い土地に多くのビルがひしめき合って立っています。ですから、街の中にいるとそれらの良さに気付きにくいものですが、ぜひ足をとめて観てみてください。