室内空間において、壁は最も大きな面積を占めます。大きな面積を占めるということは、空間のイメージを決定づける重要なポイントということになります。今回は壁紙を貼って仕上げる、クロス仕上げについてポイント解説いたします。
1. クロス仕上げの手順
クロス仕上げは店舗、住宅に限らず、現在最も普及している内装方法ではないでしょうか。面積によって価格が決まりますが、安価で作業期間が短いのが魅力です。素材も紙、布、ビニール、天然素材などがあり、色や柄も豊富で加工も簡単です。中でもビニール素材は、水を弾くなどの機能性にも優れ、人気があります。
手順1. 下地準備
壁に凸凹があるとクロスに影響しますから、パテ等を使って壁の表面を平らにしておきます。
手順2. のりづけ
現地で専用の機械を持ち込み、行います。手早く一気にのりづけします。
手順3. 貼り付け
貼り付けてすぐは凹凸が見えることもありますが、基本的には乾いた時にしっかりとのびるように計算されてのことです。仕上がりは職人さんの腕によって変わります。気になる箇所は早目に伝えるようにしましょう。
2. メリットとよくある失敗例と対策ポイント
メリット
・コストが安い
・クロスの種類が豊富
・手入れが簡単
普及率が高いことからも分かるように、材料費や人件費などのコスト面も他の仕上げ方法(左官仕上げ、塗装仕上げ)に比べて低くなっています。手入れも簡単ですが、劣化が気になり出したら、貼り替えることができるのも魅力の一つです。
よくある失敗例
・イメージと違う
・カビや結露ができる
・クロスの端が見える、うまく貼れていない
クロスの中でも人気の素材にビニールを挙げましたが、つまりは壁をビニールで覆うことになりますから少し注意する点があります。吸湿性のあるタイプもありますが、断熱、気密のコントロールがうまくできない場合、思わぬトラブルに見舞われてしまうことがあります。
以下の注意点を参考に、施工前に回避できることはしておきましょう。
失敗しないポイント
ポイント1. イメージに相違をなくす
色は「色の面積効果」と言って面積が大きくなればなるほど、明るい色はより鮮やかに、暗い色はより暗く見えます。ですので、クロスを選びをする際の見本はできるだけ大きいものをオススメします。ショールーム等で確認する場合は照明の当たり方、色もチェックしておきましょう。
ポイント2. 空間に応じてクロスを選ぶ
壁も天井も全て同じクロスにして統一感を出したつもりでも、視点を変えると単調でつまらない空間になっていることがあります。アクセントクロスといって、四方の一つだけ色変えしたり、トイレなどの個室は異なる印象のクロスにする等すれば、空間の引き締め効果もありますし、なにより空間を楽しむことができます。是非取り入れてみてください。
ポイント3. 業者選び
クロスは貼った後に問題点が出てくることがほとんどです。性質上シワなどが出てくることもありますが、補修も可能です。アフターフォロー体制の整った業者を選ぶことをオススメします。
3. まとめ
種類も色も選ぶのに困ってしまうほど豊富で、やっと選んで決めたのにイメージが違ったというのはよくある話です。最近では機能性も高く、デメリットを埋める新しい素材もどんどん開発されています。気分を変えるように数年したら張り替えればいいという気持ちではなく、空間のベースとなる大変重要な内装工事であることを忘れないようにしてください。迷った時は専門家に相談して、適材適所のクロス選びを行いましょう。