今回は、住宅や店舗やオフィス等、様々な場所で使用される、木製家具(机・椅子・収納棚)の仕上材についてご紹介します。木製家具の仕上材も様々ありますが、今回はその中でも、代表的な6つの仕上材(無垢材・集成材・突板材・オレフィンシート材・メラミン化粧合板材・ポリエステル化粧合板材)に絞ってご紹介します。
これから木製家具をオーダー・特注する方や、既成品の家具を購入される方も、木製家具の仕上材について知っておいて損はありません。是非参考にして下さい。
1. 無垢材
無垢材とは、一本の丸太を切り出して出来上がった木材のことです。集成材や加工材に比べ、人工的に手を加えていない天然の素材のため、反りやすくひび割れも入りやすいのが難点です。
その分、加工品には無い風合いや、他にはない1点物としての、オリジナリティがあります。勿論、経年と共に傷が付いたり日焼けもしますが、手入れを怠らなければそれが味となり、素晴らしいエイジングの表情を見せてくれます。また、耐久性もあり、長年使用できるのも大きな特徴の1つになります。
2. 集成材
集成材とは、同じ種類の小さな木材(無垢材)を、繋ぎ合わせて成形された木材のことです。集成材の特徴は、製造段階で反りにくく、ひび割れにくい木材で加工しているため、強度性が高く、扱いやすいのが特徴です。また、無垢材に比べて生産性が高いため、コストを抑えることが可能です。
欠点としては、小さな無垢材を繋ぎ合わせているので、繋ぎ目が見えてしまうことです。塗装した場合、同じ種類でも木材によって吸い込み度合いが違うので、均一な色合いにならないというのも欠点になります。
3. 突板材
突板とは、無垢材の表面を薄くスライスした木のシートを、ベニヤ板に張り付け(練り付け)た板のことです。市販の家具にも多く使用されており、特にテーブルや机の天板、テレビボード等、見た目を重視した家具に使用されることが多いです。特に素人では、突板と無垢材を見分けるのは難しく、無垢材と思っていた家具が突板だったということもあります。
価格は安い分、無垢材に比べ耐久性が劣るのが欠点になります。特に深い傷や経年劣化による擦れで、下地(ベニヤや板)が見えてしまうことがあります。
4. オレフィンシート材
オレフィンシートとは、木目や柄等がプリントアウトされたシートのことです。主に住宅の部屋や、収納の建具に使用されることが多く、安価な仕上材になります。
家具としては、カラーボックスや量産品に使用されることが多く、他の仕上材に比べ、汚れや耐久性が劣ります。ただ、安価なことや、近年では柄のプリントの精度も高くなっていることから、それほど耐久性が求められない場所には最適な仕上材といえます。
5. メラミン化粧合板材
メラミン化粧合板材とは、木目や柄をプリントした化粧紙に、メラミン樹脂を含浸させた物を、何枚も重ね合わせて形成された板のことです。非常に硬く、耐熱性・耐久性・耐摩耗性に優れております。そのため、耐久性が求められる、水廻りや、机やカウンターの天板に最適です。また、木目調をはじめ、金属調やレザー調等、様々な柄があり、デザイン性も優れております。
ただ、ポリエステル化粧合板材に比べると、価格が高くなるのが難点です。耐久性が求められる場所はメラミン化粧合板材、それ以外の場所をポリエステル化粧合板材と、使い分けることが多いです。
6. ポリエステル化粧合板材
ポリエステル化粧合板材とは、木目や柄をプリントした化粧紙に、ポリエステル樹脂を塗布した板のことです。メラミン化粧合板材と同様、木目調や金属調等、様々な柄があり、デザイン性に優れています。
耐久性は、メラミン化粧合板材程ありませんが、オレフィンシート材よりも強く、価格も安価なため、コストパフォマンスに優れています。家具の仕上材としてだけでなく、壁の化粧材として使用されることもあります。
7. まとめ
今回は、木製家具の代表的な家具の仕上材についてご紹介しました。今回ご紹介した素材以外にも、木製家具の仕上材は様々あり、どの仕上材もメリット・デメリットがあります。どのような場所に、どのような見た目の、どのような触り心地の、どのような質感の家具を置きたいかを考え、素材選びをすることが大切です。
これから、お店の内装工事をされるオーナー様や、新しく戸建てやマンションに引っ越しを考えられてる方は是非参考にして下さい。