普段口にするだけでは気付かなかったものも、建築用語を語源とする用語が沢山あります。今回は前回に引き続き、建築由来のワード・フレーズをご紹介します。豆知識として知っておくと、さらに建築への知識が深まるでしょう。
目 次
1. しのぎを削る
しのぎとは、棟木を屋根の勾配に合わせて山形に削ることで、大工用語でもあります。しのぎをうまく仕上げるには、一方が終われば今度はまた反対側からと、同じ様に力を加えながら左右均等になるように処理しなくてはなりません。腕一本、実力主義の大工さんならではの職人技です。
一般的には、ライバル同士が互角に戦う様を言います。その昔剣を交えての戦いで、刀の刃と峰との境部分をしのぎと言い、その部分が激しく削り落ちるほど激しく戦う様を例えた慣用句でもあります。
2. うだつ(卯建)があがらない
隣り合う町屋と町屋の屋根部分に、防火目的としてつくられた立ち上がりのことを指します。それが時代と共にデザイン性を高めていき、富裕層は競うように立派な卯建を作りました。そこから、立派な卯建もあげられない、生活が向上しない様子を表現する言葉となりました。
3. 結構
中国が語源とされており、建物の組立て具合をほめる時に「素晴らしい結構です。」などと使っていた言葉です。日常でもよく使う言葉で、断りを入れる時に必要ありませんと言う意味で使う場合もありますが、ここでは、欠点がなく、素晴らしいと言う意味です。
4. まとめ
今回は「結構」のように日常よく使うワードもご紹介しました。口にするだけでは気付かなかったものも、文字に書き起こしてみるともしかして建築にまつわるのかなと思うものあります。なかなか文字を書かなくなった現代ですが、文字から紐解くのも面白いので気になったら調べてみてください。