物件のスペック(立地・広さ・形状等)
大阪市内でインターネットカフェの店舗デザイン・店舗設計・改装工事のご相談があり、現地調査に行ってまいりました。
ネットカフェの場所は、大阪市北区の中心部で、駅から徒歩3分と申し分ない立地です。最寄りの駅周辺は大きな商店街があり、昼夜問わずひと通りが多い場所になります。建物自体は鉄骨造の4階建てで、決して新しく綺麗な建物とはいえません。おそらく築30年から35年程度は経過しててそうです。1階部分には飲食店が入っており、ビルの2階、3階部分が今回ご相談いただいたインターネットカフェになります。
広さは2階部分、3階部分、共に30坪程度で、合計60坪程度の広さになります。60坪の広さには、半個室になっているパソコンブースが数十室、フードを提供する厨房、スタッフの休憩室、受付カウンター、トイレが備えられております。
このインターネットカフェは、新装当時から20年程経過しており、部分的に少し手は加えられているものの、いたる所に経年劣化による痛みや汚れが目立ちます。設置されている空調設備も古く、汚れや変色が見られます。また、パソコンブースを間仕切る簡易ブースも傷が目立ち、一昔前のネットカフェの仕様になっております。
今回ご相談いただいた改装の一番の目的は、各ブースを完全個室にし、プライバシーを保てる空間に変えることです。そのためには、新装工事に近い大掛かりな内装工事が必要で、店内を一度スケルトンの状態に解体し、新たに間仕切りを設け、空調機器は無論、様々な設備を個室仕様に一新する必要があります。
現在の内装の状態に関して
こちらが現在のインターネットカフェの店内の様子です。通路に沿って規則正しくパソコンブースが並べられています。パソコンブースは簡易の間仕切りで仕切られており、上部は空いています。人の目線を遮るような高さに設置されている間仕切りに、スライド式のドアが付いており、そこからブース内へと入れます。ブース内には、パソコンの機材が置かれているテーブルと、リクライニング式のチェアが設置されております。幅は90㎝、奥行きは120㎝程度の広さで、決して広い空間とは言えません。
現状は、間仕切りの上部が空いてるため、天井に設置されている天カセ(天井カセット型エアコン)の冷暖房が、各ブースに満遍なく行き渡りますが、今回の改装の様に、天井まで間仕切りを設けた完全個室の場合は、各部屋にエアコンの吹出口が個別で必要となります。この前者と後者では、工事内容も工事費用も大きな違いがあり、特に後者の完全個室の場合は、簡易間仕切りの時と比べ、空調工事の費用が2倍から3倍程度高くなります。また、完全個室の場合は、空調だけでなく、換気設備・消防設備・照明設備などの設備機器も個別で必要になります。
こちらはエントランス廻りの様子で、受付カウンターの後ろに厨房が見えています。今後のお店の方針として、厨房で調理するようなフードは提供しないので厨房も解体し、個室のスペースとします。あと現状のお店にない設備として、シャワーユニットの設置が必要となります。現状、厨房やトイレの水廻り設備があり、シャワーユニットの設置も特に問題なさそうです。
まとめ
今回インターネットカフェの現地調査した結果、オーナー様が思い描いてる改装プランで進めても、特に問題はありませんでした。前半でもお伝えしましたが、改装といっても、今ある内装をスケルトン状態に解体し、その後、新たな内装工事に取り掛かるため、ほぼ新装工事といっても過言ではありません。金額だけでいうと解体が必要な分、新装工事よりも費用が掛かってしまうというのが現状です。また、完全個室にするにあたり。様々な設備も各個室に必要となります。簡単に言うと、小さなホテルの客室や、1Rの部屋を何十室と作る工事と思ってもらうと分かりやすいと思います。そのため、通常の工事よも費用も高くなり、工事期間も長くなってしまいます。
ただ、インターネットカフェも一昔前と変わり、プライバシーを重視した完全個室の形態にシフトしてきているのも現状です。オーナー様も今後の経営戦略も見据えての大掛かりな改装工事という思いで相談頂きました。現在営業中のお店の休業期間や休業時期の件、また工事予算の調節等、問題は多々ありますが、一つ一つクリアし、お店にとって最善の形で進めていきたいと思っております。また進捗がありましたら、こちらでご紹介させていただきます。