ガラスは住居内においても必ずあり、身近な素材です。主に扉や窓、棚などの家具の一部として使用されています。店舗デザインにおいても内と外、いたるところに使用されています。店舗ならではのデザイン要素、アクセントとして、床や壁に用いられる仕上げ材での使用も増えてきました。今回はガラスについて種類別にご紹介します。
1. 店舗の外・内装デザインで用いるガラス
ガラスも他の素材同様に、様々なケースに対応すべく豊富な種類があります。店舗内に光を取り込むのをメインとする場合、機能的な要素を持ち合わせている場合、仕上げ材(床や壁、天井を覆うための資材)に代わって使用され、見た目にもデザイン要素の高い場合等が挙げられます。価格帯も様々ですが、他の資材と比較しても高価な場合が多いのが特徴です。
透明のもの、色付き、不透明、表面に加工、模様を施したもの、気候や機能性を重視したもの、8つのタイプをご紹介します。
2. ガラス別の特徴と用途
ローコスト
フロート(板)ガラス
ガラスといって誰もが想像する透明なガラスのことを指します。一枚では透明に見えますが、重ねたり、厚みのあるものは緑色に見えるのが特徴です。様々な場面で使用され、厚さも2mm〜あり、加工がしやすいのでDIYにも適しています。
用途:窓、棚の扉、テーブルトップ(天板)、水槽
網入り(ワイヤー入り)ガラス
ガラスに金網(ワイヤー)を封入したガラスのことを指します。防火設備用ガラスとも言われており、内部に封入されている網が火災で破損したガラスの飛散を防止します。火災や火の粉の侵入を遮断し、開口部からの延焼などを防ぐ効果もあります。耐熱効果はフロートガラスと変わりません。
用途:防火戸、開口部、屋根(天窓)
型板(デザイン)ガラス
ガラスの片面に梨地と霞と呼ばれる模様をつけた、半透明のガラスのことを指します。模様が透明度を低くしているので、プライバシーを保護する役割として目隠し部分に使用でき、便利です。
用途:トイレ、浴室、室内の間仕切り、玄関
熱線吸収ガラス/熱線反射ガラス
熱線の吸収・反射を高める為に原料に着色をしてある色付きのガラスのことを指します。室内からは外部を透明で見ることが可能です。熱線反射ガラスは表面に極薄の金属膜がコーティングされています。日光を3〜4割カットし、直射日光を和らげることができます。冷暖房効果を高めるのが特徴の省エネガラスです。
用途:窓、室内の間仕切り、テーブルトップ(天板)
ハイコスト
強化ガラス
見た目はフロートガラスとまったく同じですが、約3.5倍~4倍の耐風圧強度を持つガラスのことを指します。強化ガラスは粉々に砕け散るのが特徴です。鋭く尖った破片で手を切ったりすることがありませんので、安全ガラスとも呼ばれます。店舗やお客さまの安全を守る意味でも、割れる危険性のある場所に使用すると効果的でしょう。
用途:テーブルトップ、窓、棚板、ディスプレイ
複層ガラス
2枚のガラスの間に薄く空気層を挟み込み、断熱性能を向上させたガラスのことを指します。断熱性能が高まることで冷暖房効果の低下を防いだり、結露の発生などを抑えるなどの問題を解決するのが特徴です。さらにコストは上がりますが、寒冷地専用のものや遮熱、紫外線カット、遮音、防犯、防火などの機能を備えた高性能複層ガラスもあります。
用途:窓
エッチング(彫刻)ガラス
ガラスの表面に薬品や金属、砂を吹き付ける等の手法で立体的な模様をつけたガラスのことを指します。特殊な技術、加工に加え基本的に手作業ですのでコストは高く、デザイン性の高い芸術的なものとして室内の装飾に多く用いられています。シンプルで直線的なデザインほどコストは抑えられます。
用途:室内ドア、室内の間仕切り
ガラスブロック
2つの厚いキューブ形のガラスを高温で溶着し、中空にしたもののことを指します。内部に空気を取り込むことで通常のガラスより断熱性や遮音性に優れています。カラーバリエーションやデザイン性に長け、加工もしやすいのが特徴です。その他、採光・防犯などの機能面でも優れた効果を発揮します。その分、高額なのでポイント使いがオススメです。
用途:壁面、床、天井、エントランス、トイレ
3. まとめ/h2>
ガラスは内装デザインにおいて、空間の透明度を演出する便利な素材です。その種類も豊富にあり、機能面でも優れたものが多くとても魅力的です。しかし、決して安価な資材ではないので、適材適所を知って効果的に使用するようにしましょう。