前回の平面図とゾーニングの記事から随分経ちましたが、お店の工事も序盤から中盤に入ってきました。
着工から間仕切工事まで
18日に大阪北部で大きな地震があり、現場も震源地から比較的近いので心配しておりましたが、特に被害は無く、工程通り進めております。現在は設備工事(電気・給排水・空調・給換気・消防設備)の仕込み工事も終了し、軽量鉄骨(LGS)で天井と間仕切壁の骨組みの工事の真っ最中です。軽鉄工事の後は、ボード工事になります。ボード工事が終わると、ようやく店内の全体像も把握できるようになります。墨出しの時点では、何もない大きな空間でしたが、間仕切りが立つと各部屋の構成や大きさがハッキリと感じ取れるようになり、一気に完成に近づきます。
間仕切・軽鉄・ボード工事
壁の下地(骨組)みとして軽量鉄骨(LGS)が無数に組まれています。壁と天井にはランナーといって縦軸を支えるコの字型の受けが取り付けられ、そこにスタッドといわれる縦柱を303㎜ピッチで立てていきます。石膏ボードの幅が910㎜なので、その数値を三等分した数値ということで303㎜になります。軽量鉄骨の中には、照明やコンセントなどの電気配線から給水管まで、様々な設備の配線が仕込まれます。そのため、軽鉄工事の業者と電気工事の業者が同時に作業する事が多いです。
消防設備・スプリンクラー工事
今回はスプリンクラー設備と排煙設備が義務化されています。ご存知だとは思いますが、スプリンクラーは火災が発生した時に自動的に感知し散水して消火する設備のことです。排煙設備は聞き慣れないかもしれませんが、火災で発生した煙が店内で充満しないよう、外部へ排出する設備のことです。排煙設備は自然排煙と機械式排煙があり、今回は都心部の高層ビルということもあり、機械式の排煙になります。機械式の排煙設備は火災時に壁に設置されている排煙スイッチを押すことで排煙口が開き、機械の力を利用し煙を吸い上げ外部に逃します。一方自然排煙は、機械的な力を利用せずに煙が自然に上昇する力を利用し、窓から外部に煙を逃がす方法です。一概に言えませんが、建物の規模が大きくなるほど、機械式の排煙設備が設置されていることが多いです。
給排水設備工事
こちらの写真は床下の給水管と排水管になります。ビルの指定された排水ポイントからシャワー室やトイレまで排水管を引き込みます。以前の記事でも書きましたが、使い勝手の面やコスト面を考えると、床上げの面積は少ないに越したことはありません。また、排水ポイントから水を使用する箇所まで遠いと、床上げの高さが高くなり1段で収まらなくなります。そういった面を考慮しながら、最初のプランニングを進めるのが非常に重要になります。