美容室や理容室を開業するには、出店地域を管轄している各機関へ手続きや申請が必要になります。その中でも今回は、保健所への美容所開設届書・構造設備概要書について詳しく説明します。美容所開設届書・構造設備概要書は、出店地域を管轄している保健所にオープンの1週間から10日前までに届出が必要です。美容室や理容室には、不特定多数のお客様が来店されるため、衛生上の適切な管理運営がされていなければなりません。それらをチェックする機関が出店地域を管轄している保健所になります。この保健所の許可が得られないと美容室や理容室としての開業ができないため、開業時に必ず必要な手続きになります。その保健所への届出書の書き方を詳しく解説していきます。
- 開設届出書
- 構造設備等施設の概要書
- まとめ
・開設者住所
・開設者氏名
・名称
・所在地
・営業の種別
・管理理容師・管理美容師
・開設予定年月日
・重複開設の有無
・申請手数料
・面積
・作業場の構造
・作業用椅子
・換気及び採光
・消毒方法
・保管設備
・洗い場
・常備する応急薬品・衛生材料等の名前
・汚物箱
・毛髪箱
・営業時間
・定休日
開設届出書
① 開設者住所
お店を開業されるオーナー様の住所を記入しましょう。法人の場合は事務所の所在地になります。
② 開設者氏名
お店を開業されるオーナー様の名前を記入しましょう。法人の場合は法人名と代表者名になります。
③ 名称
お店の名前を記入しましょう。
④ 所在地
お店の住所を記入しましよう。
⑤ 営業の種別
開業する営業の種別である理容所(理容室)又は美容所(美容室)に◯をしましょう。
⑥ 管理理容師・管理美容師
管理理容師又は管理美容師の設置義務が必要な理容室・美容室を開業する場合は記入しましょう。
お店の衛生的な管理のために、美容師・理容師が常時2人以上出勤している場合は、管理理容師・管理美容師を1名以上配置しなければなりません。資格条件は、免許習得後3年以上にわたって美容関連の業務に携わり、尚且つ、公益財団法人理容師美容師試験研修センターが開催した講習会を受講し、修了した者であることが条件となります。
⑦ 開設予定年月日
お店をオープンされる日を記入しましょう。
⑧ 重複開設の有無
重複開設の場合はお店の名前と開設予定年月日を記入しましょう。
重複開設とは、1つのお店で理容所(理容室)と美容所(美容室)を開業することいいます。重複開設には一定の条件があり、理容所(理容室)と美容所(美容室)の両方に必要な衛生上の条件を満たし、尚且つ、施術者全員が理容師・美容師の両方の免許を持っていなければなりません。
⑨ 申請手数料
届出の申請には、申請手数料16,000円(2018年4月時点)が必要になります。保健所で手数料を支払い収納済印をもらいましょう。
構造設備等施設の概要書
① 面積
理容所(理容室)又は美容所(美容室)の作業場と待合の合計面積を記入しましょう。スタッフルーム・トイレ・収納庫等は上記面積には含まれません。
② 作業場の構造
床の材質と腰板の材質を記入しましょう。不明の場合はお店を工事された建築事務所や工務店に確認しましょう。市町村によっては建物の構造(鉄筋コンクリート・鉄骨造・木造等)を記入する欄があります。
③ 作業用椅子
店内の作業用椅子(セット面の椅子・シャンプー台)の脚数を記入しましょう。
④ 換気及び採光
店内の換気設備の台数と採光の種類を記入しましょう。市町村によっては換気設備の種類や照明器具の種類を記入する欄があります。
⑤ 消毒方法
カミソリ及び血液が付着している又はその疑いのある器具類とタオル等の布類の消毒方法を記入しましょう。
・薬液(エタノール・次亜塩素酸ナトリウム・逆性石鹸液・グルコン酸クロルヘキシジン・両性界面活性剤等による消毒)
・煮沸(煮沸器による消毒)
・蒸気(蒸器による消毒)
・紫外線(紫外線照射器による消毒)
⑥ 保管設備
カミソリ及び血液が付着している又はその疑いのある器具類とタオル等の布類の保管設備を記入しましょう。器具類・布類共に、消毒済と未消毒で専用の容器で分ける必要があります。
⑦ 洗い場
器具等を洗浄するシンクの台数と先発するシャンプー台の台数を記入しましょう。
⑧ 常備する応急薬品・衛生材料等の名前
理容所(理容室)又は美容所(美容室)では、万が一お客様に外傷を負わせた時の応急処置として、救急箱の設置が義務付けられています。傷薬・消毒液・包帯の3つは必ず必要になります。
⑨ 汚物箱
蓋付きの汚物箱(ゴミ箱)が義務付けれられています。
⑩ 毛髪箱
蓋付きの毛髪箱(ゴミ箱)が義務付けられています。
⑪ 営業時間
お店の営業時間を記入しましょう。
⑫ 定休日
お店の定休日を記入しましょう。
構造設備等施設の配置図
① 理・美容所平面図(設備の配置・寸法を記載した図面)
定規等を使用した手書きでも構いませんが、開業時の多忙な時期ということもあり、平面図がある場合は平面図を添付しましょう。店内の設備機器と構造設備等施設の概要書の①で記入した面積の計算が可能な寸法の記載が義務付けられています。
② 作業所及び待合所の合計面積の算出式
構造設備等施設の概要書の①で記入した面積の計算式を記入しましょう。