内装工事

無垢材や集成材のメリット・デメリット!内装工事に使用する木材の種類

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
無垢材や集成材のメリット・デメリット

新しく店舗を構える際、店舗内・外のデザインを完成させるのはとてもワクワクする作業です。設計士やデザイナーと話を詰めていくわけですが、設備や資材、素材となると専門的な知識が必要であったり、イメージだけを確認してあとはお任せされる方も多いと思います。もちろん全てを網羅するのは大変な事ですが、ほんの少しでも知識があるとないでは、設計士やデザイナーとの話し合いの進み具合にも違いが出てきます。今回は木の素材「無垢材」と「集成材」についてお話しします。

目 次
  1. 自然な風合いそのままの「無垢材」とは
  2. 無垢材の取り入れ方と注意点
  3. 進化を続ける「集成材」とは?
  4. 集成材の取り入れ方と注意点
  5. まとめ

1.自然な風合いそのままの「無垢材」とは

無垢とは「全く混じりもののないこと」「純粋であること」を言いますが、建築では主に木材に対して使用します。「一本の木から取れるつなぎ目のない材木」を無垢材と言います。化学物質を含まない自然の素材と言うのが一番のポイントです。木が持つ温かみや素朴な風合いが人気です。見た目はもちろんですが、質感や風合いの癒し効果は人工のものとは比べ物になりません。

カフェやレストランなどの飲食店、美容院やエステなどのサロンからアパレル系まで幅広い業種に取り入れられています。特徴としては、自然の木ならではの性質が挙げられます。湿気の多い日は水分を吸収し、逆に乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保とうとします。日本の風土に適していると言えるでしょう。

その「調湿作用」があることで、コンクリートの約2倍の断熱効果があるとされています。断熱効果は室内を「夏は涼しく、冬は暖かく」するので、住居のみならず店舗においても理想的な空間をつくることができます。強度や耐久性もあるのでとても魅力的です。

2.無垢材の取り入れ方と注意点

自然の中にいるような美しさや温もりは演出をしないでも感じ取れますが、人工のものより天然のものが全てにおいて優れているかと言えばそうではありません。自然のものだからこそ、手を加えて使いやすく加工する場合もあります。無垢材は「調湿作用」があることで、木自体が縮んだり、膨らんだりします。それは反りとしてあらわれ、しっかりと乾燥の処理をしていないものは後々問題が生じるので注意が必要です。

乾燥がしっかりしていないと、強度や耐久性も弱くなります。安全性の面からも樹齢が若いものは特に気をつけましょう。また、若いものに比べ高樹齢のものは手に入れるのが難しいこともあり、高額になります。

取り扱いには、施工経験や知識を持った専門家に依頼するようにしましょう。こだわりを持つことも大切ですが、あまり固執し過ぎないことも重要です。コンセプトに合っているか、天然の木を活かしたデザインになっているか、また、人工のもので充分ではないかなどもじっくり検討してみましょう。

3.進化を続ける「集成材」とは?

一本の木からなる無垢材とは反対に「ひき板や角材など小さな木々を集め、平行にそろえ接着し、大きい木材にしたもの」を集成材と言います。強度にばらつきもなく、自由に大きさや形がつくれ、割れや狂いが生じにくいとされているのがポイントです。接着することで大きな木材を作り出すことも可能になりました。

これまでは寄せ集めの合板のイメージがあり、無垢材に比べ強度や耐久性も低く、小さなパーツとしてしか日の目を見ませんでしたが、近年、接着技術も飛躍的に進歩し、建築資材としてあらゆる場面で使用されるようになりました。また、接着することでできる柄をデザインの一部と考えて取り入れたり、様々な柄の木材を集成することで個性的なデザインが楽しめるのも人気の理由です。

4.集成材の取り入れ方と注意点

大きな木材が作れるようになったため、長い梁や柱も集成材でまかなうことができるようになりました。店舗の大きさに合わせて木材を探したりする必要もなく、自由に大きさや形が作れ、強度や耐久性十分に兼ね備えています。曲線を用いたデザインが可能になったのは、これまでの木造建築の概念を覆すほどの出来事と言えるでしょう。

自然派志向の人にもデザイン性の高さや自由度から選ばれることが増えています。人工化合物なので、品質面からも安定して供給される点も高ポイントです。しかし、強度の高いものなど加工に時間のかかるものは値段も高騰します。接着材を使用するので、使い方によってはどうしても強度や耐久性にもろさが出てくる場合もあります。無垢材に比べて必ずしも安価で使い勝手がいいとは言えない点には注意しましょう。

5.まとめ

いつの時代も木の素材は素朴で温かみがあり、幅広い方面から人気があります。年々技術も進化し、天然だから良い、加工品だから悪いなどという概念はなくなりつつあります。どんな素材にもメリット、デメリットがあることを忘れずにしっかり把握するようにしましょう。

使用したい素材とそれに代わって使用される素材の違いが分かれば、設計士やデザイナーとも仕上がりイメージの相違なく作業を順調に進めることがでしょう。適材適所を心がけ、専門家の意見を聞きながら予算に応じた取り入れ方をしましょう。

trico
error: Content is protected !!